心を磨く前に、僕は蛇口を磨きます。
2026/09/02見えないものを整えたいときほど、まずは目の前のものから。
僕は、光り物が曇っているのが嫌いです。
銀食器も、
アクセサリーも、
鏡も、
蛇口も。
光るためにあるものは、
ちゃんと光っていてほしい。
別に潔癖症ではありません。
……たぶん。

これには、京都の家で一緒に暮らしていた祖母の影響があります。
祖母は、よく言っていました。
「心は見えないでしょう。
だから、見えるところから磨きなさい」
子どもの頃は、
そんなものかな、と思っていました。
でも今は、
この言葉をかなり本気で信じています。
心も、
感性も、
直感も、
運も、
目には見えません。
だからまず、
目の前にあるものを丁寧に扱う。
靴を磨く。
鏡を磨く。
蛇口を磨く。
僕の家では、
榊の茎を毎日洗って生け直し、
できるだけ生花を飾ります。
部屋の空気が淀まないように、
サーキュレーターも回します。
僕にとっては、
特別な「開運法」というより、
暮らしの中にある小さな儀式です。
少し厳しいことを言えば、
見えるものを雑に扱ったまま、
見えない世界だけ整えようとするのは、
僕は少し違うと思っています。
僕はスピリチュアルな世界を大切にしています。
だからこそ、
神様にお願いする前に、
蛇口くらい磨いたらいい。
本気でそう思っています。
運をよくしたい。
直感を磨きたい。
人生を変えたい。
もちろん、それもいい。
でも、
部屋は散らかっている。
靴は汚れたまま。
食事も睡眠も適当。
自分の身体まで雑に扱っている。
それなのに、
見えない世界にだけ答えを求めるのは、
少し順番が違う気がするのです。
僕自身、
病気で人生がどうにもならなかった頃があります。
その闘病中、
「病気を治したいなら、
トイレを素手で掃除するといい」
と言われたことがありました。
もちろん、
トイレ掃除で病気が治る、
という話ではありません。
でも、僕はやりました。
誰も見ていない場所を掃除する。
汚れたら、
また掃除する。
昨日きれいにしても、
今日またやる。
とても地味です。
奇跡の話を期待されたら、
申し訳ないくらい地味です。
でも今振り返ると、
人生を立て直すというのは、
案外こういうことの積み重ねなのだと思います。
そして、
これまで3万人以上のお話を聴いてきて、
人の心にも同じことを感じます。
調子が悪くなると、
もっと成長しなきゃ。
もっと強くならなきゃ。
もっと学ばなきゃ。
僕たちは、
何かを「足す」ことばかり考えます。
でも、
本当は優しいのに、
人に使いすぎて疲れている人。
本当は自分で決められるのに、
人の意見を聞きすぎて、
自分の声がわからなくなった人。
十分頑張ってきたのに、
自信だけが曇っている人。
とても多いです。
なくなったわけではないんです。
少し、曇っているだけ。
だから僕は、
新しい自分になろうとする前に、
いま持っているものを、
もう一度磨いてみる。
それでいいと思っています。
人間ですから、
一度整えたって、
また散らかります。
心だって曇ります。
僕もしょっちゅう曇ります。
そうしたら、
また磨けばいい。
何か新しいことを始める前に、
今日ひとつだけ、
「すでにあるものを磨く」
をやってみませんか。
靴でもいい。
鏡でもいい。
財布でもいい。
ずっと気になっていた場所でもいい。
目に見えるところを、
ひとつだけ整えてみる。
磨いているうちに、
「私、本当は何に疲れていたんだろう」
そんな、
見えなかった自分の気持ちまで
見えてくることがあります。
人生を変えようとしなくてもいい。
まずは、
少し整える。
僕は、
そこからで十分だと思っています。
毎週水曜日、「神社の手紙」をお届けしています
今回のような、
「頑張りすぎた心を、少し整える話」
「人生を立て直すための小さな気づき」
「カウンセラーとして3万人以上のお話を聴いてきて感じたこと」
そして、
僕自身の闘病や人生の中で気づいたことを、
毎週水曜日、
メールでお届けしています。
人生を無理に変えるためではなく、
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少しホッとできる。
少し自分に戻れる。
そんな手紙でありたいと思っています。
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